震災後、資産は大きく減っていた。
残高は200万円程度。
株はまだ保有していたが、含み損が大きく売れない状態だった。
キャッシュポジションは数十万円。
この資金で、まだ戦えるのだろうか。
そんなことをずっと考えていた。
オプション取引のような、少額で大きく動く取引はもうやりたくなかった。
あの経験が、まだ恐怖として残っていたからだ。
しかも株式市場も弱く、
株価が簡単に戻るような雰囲気ではなかった。
どうすればいいのか。
そんなことを迷っていた時、
相場である異変が起きていた。
円が急激に買われ始めたのだ。
米ドル/円
日本は震災で大きな被害を受けている。
普通に考えれば、日本売りになってもおかしくない。
それなのに、なぜか円が買われていく。
何を根拠に?
疑問しかなかった。
気がつけばドル円は80円を割れていた。
当時は「ドル円は50円になる」というような極端な話まで出ていた。
しかし自分には、
そこまで極端なことにはならないという思いがあった。
そこで、自分は初心に戻ることにした。
投資を始めた頃にやっていた
外貨預金の感覚でドルを買う。
FXなら、ドルを持っているだけで
スワップ金利を毎日受け取ることができる。
少しでも金利を積み上げれば、
また種銭を作れるかもしれない。
そう考えた。
そこで円高方向に動くドル円を
何回かに分けて少しずつ買っていった。
そして幸いなことに、
最後の買い増しをしたあたりでドル円は反転した。
しばらく保有して、
スワップで少しずつ増やしていこう。
そう思い、ホールドを決断した。
いつまで保有するのか。
どこで売るのか。
そんなことはまったく考えていなかった。
ただ一つ思っていたのは、
「底値で買えたかもしれない」
という優位性だけだった。
しかしこの時、
自分はまだ知らなかった。
このあと日本の政治が大きく揺れ、
為替市場は想像もしなかった動きをすることになる。
やがて、
安倍晋三
が再び政権に戻り、
アベノミクス
という大きな相場が始まることになる。
(次回へ続く)
