投資を始めてしばらくした頃、同じ業務を担当することになった後輩がいた。
その後輩は大学時代に株研究会に入っていて、株の知識をかなり持っていた。
それまでの自分は、外貨預金や配当目的の株をなんとなく買う程度で、投資の知識はほとんどなかった。
しかしその後輩が、株式投資の基本からテクニカル分析までいろいろ教えてくれるようになった。
これがとにかく面白かった。
今までなんとなく見ていた株価の動きにも意味があるように感じられ、
チャートや相場を見ること自体が楽しくなっていった。
株の知識は一気に増えていった。
そして不思議なことに、それに比例するように売買の成績も上がっていった。
この頃の自分は、投資が本当に面白かった。
新興市場ブーム
株の知識が増えていくのと同じタイミングで、市場にも追い風が吹き始めた。
いわゆる新興市場ブームだ。
当時の新興市場、今でいうグロース市場は値幅がとにかく大きかった。
小型株が次々と上昇し、ビギナーでも資産をどんどん増やしていけるような相場だった。
もちろん自分もその流れの中にいた。
売買をするたびに資産は増えていく。
それが当たり前のように感じる状態になっていた。
気がつけば資産は1200万円まで膨れていた。
この時、自分は本気で「投資で生きていける」と思い始めていた。
今振り返れば、完全に相場の力だった。
しかし当時の自分にはそんな自覚はない。
「このまま投資を続ければ、会社なんて辞めて投資だけで生きていけるんじゃないか」
そんな甘い考えが頭をよぎる日々だった。
完全に勘違い状態だったと思う。
ライブドアショック
しかし、その熱狂は突然終わる。
ライブドアショック
この出来事は、単にライブドアグループだけの問題では終わらなかった。
新興市場全体の空気を一変させた。
それまで勢いよく上がっていた株は、一斉に下げ始める。
しかも急落というより、じわじわと続く下落だった。
毎日のように株価が少しずつ下がっていく。
気がつけば保有している銘柄の多くが大きく値を崩していた。
さらに時間が経つにつれて、倒産する企業も出始める。
新興市場そのものが崩れていくような感覚だった。
そして、自分の資産も同じように崩れていった。
ピーク時には1200万円まで増えていた資産は、
最終的には400万円程度まで落ちていた。
有頂天だった気持ちは一気に叩き落された。
おそらくこれが、自分にとって最初の大きな挫折だったと思う。
「投資で食べていく」
そんな考えは、この時きれいになくなった。
そしてこの時、初めて気付いた。
自分は相場で勝っていたのではなく、相場に勝たせてもらっていただけだった。
次回
この経験をきっかけに、自分の投資への向き合い方は大きく変わることになる。
それまでの勉強は、理論や知識を増やすためのものだった。
しかしここからは、実際の相場で生き残るための勉強が始まる。
知識だけでは勝てない。
相場にはそれとは別の世界がある。
そして、この挫折のあと自分は
ある一つの考え方に出会うことで、投資の見方が大きく変わることになる。
それが、自分の投資人生の最初の転機だった。
(次回へ続く)